重要伝統的建造物群保存地区。旅好きの方ならとっくにご存じであろう、
略称ジューデンケン。ひらたく言うと、国がお墨付きを与えた景観地区である。
文化財保護法に基づき文科相が指定している。

具体的には城下町、宿場町、門前町、寺内町、港町、農村、漁村など「和」の良質
な景観が保存された地区が選ばれており、現在全国で110地区がリストアップされて
いる。言わば世界遺産のミニ日本版みたいな位置づけだろうか。

特筆すべきは建造物だけではなく、門、土塀、石垣、水路、墓、石塔、石仏、燈籠など
の工作物や、庭園、生垣、樹木などの環境物件も保存の対象となっていることだ。

函館市、会津大内宿、出石、奈良今井町など既に観光地として名を成している所も多いが、
逆にどこだそれ?と思わせるようなマイナーな地区も多く含まれている。新しい旅先を考えるとき
に参考となることは間違いない。ただ、世界遺産もそうだがそこに登録されている、というだけで
闇雲に飛びつくのはいかがなものであろうか。自分なりの眼で判断する態度が大切である。