日本最古の道、奈良・山の辺の道、と言えば春に訪れるイメージですが、四季を通じて
大和路の懐かしい景色を楽しむことができます。紅葉は十一月中旬以降
となりますがこの季節にウォーキングに出かけてみてはいかがでしょうか。

現在の山の辺の道を歩く場合、起点を近鉄天理駅、終点を近鉄桜井駅とする
のが普通です。全長が16キロほどですので一日で歩いて歩けない距離
ではありませんが、寺院や古墳などをゆっくり見るならほぼ中間点にある
JR柳本駅で行程を二分して2日間かけて歩いた方がいいでしょう。ただその
場合ルート上ではJR桜井線の三輪駅周辺に宿泊施設が数軒あるだけですので、
奈良市に宿をとって折り返し歩き継ぐのが現実的かも知れません。

天理駅を出ると市街地を東に向かいますが、この部分は普通の市街地ですので
石上神宮まではバスやタクシーでショートカットしてもかまわないでしょう。
ただ途中に天理教の教会本部と、少し離れて天理参考館という博物館があります。
石上神宮はいそのかみじんぐうと読みますが、日本最古の神社!と言われています。
(ただし山の辺の道周辺にある神社は日本最古と言われる社が数社あります)
ここからそれらしい山の辺の道が始まります。その名の通りの山麓の道をうねうね
と歩きながら南へむかいます。途中トンネルもあります。内山永久寺への入り口に
ある『うち山やとざましらずの花ざかり』と読める芭蕉句碑を過ぎ、天理観光農園
あたりで道はいったん西に向かいますが、夜都伎神社から再び南へ向かいます。
やがて左側、竜王山の麓に竹之内集落が軒をならべていますが、ここは昔古墳の堀を利用した
環濠集落でした。やがて天気が良ければ進行右手前方に耳成山・畝傍山・天香久山
の大和三山が見え、風光明媚な地帯にはいって行きます。やがて中間点である柳本に
着きますが、ここには崇神天皇陵と言われる前方後円墳があります。柳本を過ぎると
漢文の額田王歌碑(読めません)があり、神籬(ひもろぎ)」遺跡という石の遺跡
があります。進むと道はクランク状に東南向きとなり、その後南向きに戻って
桧原神社、大三和の杜展望台、大神神社、平等寺、金屋の石仏などを経て仏教伝来の地碑に
到ります。これは往古、大阪湾から大和川を遡ったここ桜井の地に河港があり、欽明天皇
の時代に仏教を伝えた百済の船が到着した、との説に基づくようです。ここからはJR・近鉄
桜井駅までは市街地を歩くことになります。