京の夏の風物詩、祇園祭が間もなく始まります。じつはこの時期、
春の桜、秋の紅葉とならんで京都市内のホテルが最も取りにくく
なる季節なのですが、その点はあとで考えましょう。
祇園祭は八坂神社、四条通りから東の方向を見て突きあたりにある
お社ですが、この神社の祭礼として千百年余り営まれてきた非常に歴史
のあるお祭りです。平安時代、京都は度重なる疫病の流行により
非常に多くの死者をだしていました。そこで貞観11年(869年)
神泉苑に、当時の国内の国数にあたる66本の鉾を立てて悪霊祓いを
行いました。そして東山山麓の地に、インドの釈迦説法の地として
知られる祇園精舎の疫病神である牛頭天王(ごずてんのう)を
祀る社が造営されて八坂神社が生まれました。ですから祇園祭の
神事は、すなわち御輿渡御や神楽・田楽、花笠踊り、そして山鉾巡行
などすべてが悪霊退散を目的に行われるようになったものです。一千年
あまりの歴史の中で中断したのは、よくジョークで京都の人々に
とって「先の戦争」と言われる応仁の乱のときと、第二次世界大戦と
いう国難レベルの人災の時だけということも、この祭りに寄せる京都人
の並々ならぬ矜持と情熱を感じさせます。
祇園祭は7月1日から31日までまる一ヶ月間に渡って催されるの
ですが、クライマックスとなるのは14日から16日の宵々山、宵山、
17日の前祭山鉾巡行と御輿渡御、24日の後祭山鉾巡行です。後祭の
山鉾巡行は平成26年に49年ぶりに復活した神事です。
さて山鉾、やまぼこと読みますが一般的には山車(だし)、と言われま
すね。また地方によっては曳山(博多)や屋台(高山) 等とも呼ばれ
華麗な装飾を施されたものが多いようです。祇園祭では前祭に23基、
後祭に10基の山鉾が巡行します。山鉾のサイズですが、地上から鉾の先
(鉾頭)まで高さは25メートルもあります。重量も約12トン、車輪の
直径も1.9メートルもあり相当に大きなものと言えます。そしてこの
山鉾を運行させる人員も曳手と呼ばれる綱を引く人約50人、車輪操作
の車形が4人、車形に指示を与える音頭取が4人、祇園囃子を演奏する
囃子形15~16人、屋根の上にいて電線などを調整する屋根方4人など
Ⅰ基につき合計80人ほどの人々が携わっているのです。祇園祭の歴史や
山鉾の運営を調べて巡行を観覧すれば、さらなる感興が湧いてくるに違い
ありません。
さて祇園祭をはじめとした繁忙期の京都ホテル事情ですが非常に
厳しいものがあります。そこでお薦めしたいのは大阪市内に宿を
取って祇園祭を楽しむ方法はいかがでしょうか。JR、阪急京都線、
京阪本線を使えば約30分ほどで大阪に出ることができます。梅田
や淀屋橋といった大阪側のターミナルか徒歩圏のホテルであれば
京都に午後11時くらいまで滞在が可能です。
大阪でOKという方もやっぱり京都という方もぜひ
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合計23基の山鉾の中で、最も
有名なのはおそらく長刀鉾(なぎなたほこ)でしょう。