札幌の奥座敷と言われる定山渓温泉は今年開湯150周年を迎える。1866年
(慶応2年)、備前国(現在の岡山県)から来た修業僧美泉定山(みいずみ
じょうざん)が小さな小屋を建てて湯宿を開設した。定山渓の名の由来はこのパイオニア
に由来する。泉質は塩化物泉。札幌の市街からは30kmほどあるため開設以来
あまり客足は伸びなかったが、1918年に定山渓鉄道が営業を開始すると来湯客数は
飛躍的に増加した。至近距離に観光の目玉になるようなスポットがないのが弱みと言える
だろう。登別における地獄谷、洞爺湖温泉における洞爺湖や昭和新山に匹敵するものが
定山渓には無いのだ。紅葉が素晴らしい豊平峡まではクルマで20分ほど離れており、紅葉の
季節以外は足を伸ばすべきかは難しいところだ。札幌中心部から定山渓に向かうと、少し
手前に小金湯温泉がある。宿2軒のこじんまりとした温泉だが札幌近郊では珍しい硫黄泉
のためかいつも賑わっているようだ。