島根県松江市にある古湯。平安時代から名泉として知られ、清少納言の
『枕草子』117段に「湯はななくりの湯、有馬の湯、玉造の湯」とあり
当時から都から遠く離れた玉造が温泉として名を高めていたことがわかる。
現代においても城崎、皆生、三朝などとともに山陰地方を代表する温泉で
ある。

泉質は硫酸塩-塩化物泉。玉湯川に沿った桜並木に高級和風旅館が立ち並ぶ
景観は歴史と風格に満ちた眺めだ。地名の元の意味である玉作りは、この付近
で良質の青瑪瑙が産出されたことにより古代から勾玉などの製造が盛んに行われ
ていたことに由来している。現在は玉作り史跡公園や玉作り資料館で玉つくりの
歴史と勾玉の実物に出会うことができる。